温泉の効果・効能・禁忌症

物理的効果
温熱作用 血管拡張作用→ 血管循環促進
自律神経の刺激→ 微温浴(37〜39℃)人体に鎮静的作用
高温浴(42℃以上)人体に刺激的作用
静水圧作用 水圧により腹囲で約3〜5cm、胸囲で約2〜3cm減少(水深1m毎に0.1気圧の圧)
心臓への静脈還流の増加→ 酸素や栄養物を各組織へ
浮力・粘性
作用
浮力により体重負荷軽減(頸部(くび)で9分の1)
浮力による体重減少
膝関節→15%、股関節→40%
科学成分
による作用
単純泉→ リウマチ性疾患、運動器障害、神経まひ、病後回復期、疲労回復
炭酸泉→ 心臓弁膜症、心筋障害、高血圧症、抹消循環障害、神経症、リウマチ性疾患、創傷、
陰萎症、卵巣機能不全症、更年期障害
重炭酸土類泉→ リウマチ性疾患
重曹泉→ 創傷及び火傷、皮膚掻痒症及び角化症、リウマチ性疾患
食塩泉→ リウマチ性疾患、運動器障害、創傷、慢性湿疹及び角化症、虚弱児童、
女性性器慢性炎症、卵巣機能不全症、子宮発育不全症及び月経障害、更年期障害
芒硝泉→ リウマチ性疾患、動脈硬化症、高血圧症、創傷
鉄 泉→ 炭酸鉄泉 / リウマチ性疾患、慢性湿疹及び苔癬、卵巣機能不全症、子宮発育不全症、
月経障害
緑ばん泉 / 慢性湿疹及び苔癬、リウマチ性疾患
酸性泉→ 真菌症(水虫)、慢性膿皮症、慢性湿疹、苔癬、リウマチ性疾患、糖尿病、
体質改善(変調)、難治性潰瘍
硫黄泉→ 硫黄泉 / リウマチ性疾患、慢性中毒症(水銀・鉛など)、糖尿病、皮膚掻痒症、
角化症(硫化水素泉を除く)、慢性湿疹及び苔癬、脂漏性疾患(にきびなど)、
凍瘡(しもやけ)、慢性膿皮症、運動障害(特に神経まひ)、創傷、女性性器慢性炎症、
月経障害(特に無月経、過少月経)、ある種の不妊症(卵管通過障害のないもの等)
硫化水素泉 / 高血圧症、動脈硬化症、末梢循環障害、その他は硫黄泉に準ずる。
放射能泉→ リウマチ性疾患、痛風及び尿酸素質、動脈硬化症、高血圧症、
慢性肝・胆道疾患、外傷後遺症

温泉に入るときの注意点
 温泉浴はかなりのエネルギーを消費します。長旅のあとなどで、からだが疲れているときは、しばらく休息してから入るようにしてください。また、食事、飲酒の直後や、空腹時の入浴も避けてください。

○かけ湯を忘れない
体にこれから風呂に入ることを知らせて準備させるため必要です

○あつい温泉には長くつからない
お湯が40度以上の場合は5分入ったら3分は上がるようにしましょう

○朝は長湯をしない
朝ゆっくり入浴すると、血圧がさがります

○1日4回以上は入らない
入浴回数は多くても1日4回までです。高齢者、乳幼児、からだの弱い人は1日2回が限度です。

○風呂上がりはゆっくり横に
入浴後は休息が必要です。温泉入浴でおこった生理的変化がもとの状態にもどるのはかなりの時間が必要です

温泉の一般的禁忌症(浴用)
     急性疾患(特に熱のある場合)
     活動性の結核
     悪性腫瘍
     重い心臓病
     呼吸不全
     腎不全
     出血性疾患
     高度の貧血
     その他一般に病勢進行中の疾患
     妊娠中(特に初期と末期)

療養泉の一般的適応症(浴用)
     神経痛
     筋肉痛
     関節痛
     五十肩
     運動麻痺
     関節のこわばり
     うちみ
     くじき
     慢性消化器病
     痔疾
     冷え性
     病後回復期
 

温泉の泉質別禁忌症及び泉質別適応症

禁忌症 適応症
泉質 浴用 飲用 浴用 飲用
塩類泉 塩化物泉   腎臓病、高血圧症その他一般的にむくみのあるもの、甲状腺機能亢進症のときはヨウ素を含有する温泉を禁忌とする きりきず、やけど、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病 慢性消化器病、慢性便秘
炭酸水素塩泉   ナトリウム−炭酸水素塩泉は塩化物泉に準ずる きりきず、やけど、慢性皮膚病 慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病
硫酸塩泉(鉄−硫酸塩泉及びアルミニウム硫酸塩泉を除く)   下痢の時、ナトリウム−硫酸塩泉は塩化物泉に準ずる。 動脈硬化症、きりきず、やけど、慢性皮膚病 慢性胆嚢炎、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風
特殊成分を含む療養泉 二酸化炭素泉   下痢の時 高血圧症、動脈硬化症、きりきず、やけど 慢性消化器病、慢性便秘
含鉄泉 月経障害 貧血
含銅−鉄泉     含鉄泉に準ずる 含鉄泉に準ずる
硫黄泉 皮膚、粘膜の過敏な人特に光線過敏症の人(硫化水素型)高齢者の皮膚乾燥症 下痢の時 慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病(硫化水素型)高血圧症、動脈硬化症、その他は上記に準ずる  糖尿病、痛風、便秘
酸性泉 硫黄泉に準ずる   慢性皮膚病 慢性消化器病
含アルミニウム泉     酸性泉に準ずる 酸性泉に準ずる
放射能泉     通風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆嚢炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病 痛風、慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛


掲示用泉質名 旧分類 効能
単純温泉 (1)単純泉 含有されている成分がうすい温泉。常に34℃以上の温度で、固形成分および遊離炭酸の含有量が水1kg中1,000mgに満たぬもの。体に対する刺激が少なく緩和性があって利用範囲が広い。無色、無味、無臭のものが多く、入り心地がよい。主たる効能は、リウマチ、脳卒中や外傷の回復期。高年向きの温泉。
塩化物泉 (2)食塩泉 ナトリウム塩化物泉といい、海水成分によく似ている。日本には多い温泉でありなめるとしょっぱい。入浴すると皮膚に塩分が付着して保温効果、よく温まる温泉。病後の回復、打ち身、婦人病によく、飲用すると胃腸病に効く。
炭酸水素塩泉 (3)重曹泉 ナトリウム炭酸水素泉といい、重曹が主体。また含食塩、含芒硝と種々の塩類を含む。皮膚を軟化させ、脂肪や分泌物を乳化させるため、皮膚が滑らかになるので美人の湯といわれるのはこの泉質。切り傷、火傷にもよい。また、飲用すれば胃酸を中和し胆汁の分泌を促す。無色透明で石鹸もよく溶ける。
二酸化炭素泉 (4)炭酸泉 正式には単純二酸化水素泉。炭酸ガスが溶け込んでいる温泉で、冷泉が多い。この温泉は末期火山の地殻深いところから湧くので活火山の多い日本には少ない。炭酸ガスが泡になって体につくので泡の湯と呼ばれるものがこれである。温度は低くても湯上がりに温まるのが特徴。胃腸や便秘にはよく効く。
硫黄塩泉 (5)硫酸塩泉 芒硝泉はナトリウム、石膏泉はカルシウム、正苦味泉はマグネシウムを含む硫酸塩泉。芒硝泉の飲用は便秘や肥満症によく、石膏泉もほぼ同じ。「脳卒中の湯」といわれるもののほとんどは正苦味泉で、血圧降下や、動脈硬化の予防に効果。
含鉄泉 (6)鉄泉 炭酸鉄泉と緑礬泉。源泉は透明だが、空気にふれると錆色になる。貧血、更年期障害、リウマチによく効く、温まる湯である。
硫黄泉 (7)硫黄泉 硫化水素泉。温泉の代表格。卵の腐ったような匂いがし、金属などは黒くなる。心臓動脈を拡張、気管支拡張症、動脈硬化によく、慢性の関節炎、皮膚疾患にもよい。よく温まる温泉である。
(鉄泉)
(含銅-鉄泉)
(8)重炭酸土類泉 正式にはカルシウム・マグネシウム炭酸水素泉。これらの土類イオンには鎮静作用があり、痙攣を緩めたり炎症を抑える働きがある。効能はアレルギー疾患、皮膚病など。飲用で痛風、結石、糖尿病によい。
(含アルミニウム泉) (9)明礬泉 アルミニウム硫酸塩泉。火山活動の多いところに湧くので、日本では多い温泉。皮膚や粘膜の収斂に効果があり、慢性皮膚病に効く。
酸性泉 (10)酸性泉 硫化水素、緑礬、明礬を含んでいて、抗菌力が強いので水虫、トリコモナス膣炎などに特効。刺激の強い湯で、湯ただれを起こすこともあり、皮膚の弱い人には適さない。
放射能泉 (11)放射能泉 俗にラジウム泉と呼ばれるが、主体はラドンである。ラドンは気体で、吸入が最も適するが、飲用もよい。痛風、糖尿病、自律神経系によく効く。